2016年12月27日放送

MBS(毎日放送)【ちちんぷいぷい】石田ジャーナル…色覚検査が復活

 苦手な色があることの原因は遺伝。男性の20人に1人、女性は500人に1人生まれつき色が異なるように見えているという。色覚検査は23歳以下の人たちの多くは学校で受けていないという。
 「昔はあって、途中でなくなり今年から復活した検査」について石田英司がスタジオ解説。きょう、スタジオにいるみなさんはおそらく全員、知っていると思います。
 色覚検査は13年前から健康診断の必須項目から削除され任意となった。理由としては色覚異常だったとしてもほとんどの人が支障なく学校生活を送ることができるという判断だった。しかし一部では廃止されたという誤解が広がりやめてしまう流れに。今年度から文科省は「任意で行ってください」と再通知している。その理由としては、色覚検査を受けていない人が自身の色覚の特性を知らず、就職の際に制限に直面する実態が報告されるようになったためだという。具体的な職業は、自衛隊、電車の運転士など。また試験には関係ないが美容師もカラーリングの色がわからないことなどもあげられるという。

 どうすればみんなが見やすい? たとえば、文字は縁取りで見やすくする。グラフなどは線と模様で区切りをつける。VTRで、体験研修をしていたNPO法人「True Colors」では、子ども向けの絵本「けんちゃんの色」を製作。子ども本人や、お友達にも色の見え方はみんな違うことを知ってもらう試み。「姉のタオルを間違って使う」「絵を描くときに母親の顔を緑色に塗る」「紅葉で葉っぱの色が変わることは分かる」などの事例を紹介。石田英司さんらは「人それぞれかもしれませんけど、気づかなかったことが分かったような気がします」などと言った。絵本はNPOのHPからダウンロード可能。

 色覚検査の映像を紹介。スタジオメンバーにどう見えるか数字を読んでもらうと89と答えたが、石田英司が不思議だがモニター見てくださいと言うと全員52に見えると驚く。これはテレビのモニターの特性で本来は89と見えたら異常なしだが、52に見えるとちょっと異常ありとなる。しかし、テレビのモニターは人間の目よりは色の識別ができないそうだと石田は説明。
 色覚とは? 目の網膜にある細胞が、光を感じて電気信号に変えることで色が見える。この細胞がうまく働かないと多くの人と違う色の感じ方をすることになる。
 文科省の通知ではさらに、教職員が色覚異常に関する正確な知識を持ち、配慮するよう求めている。そこで、色覚異常のある人たちはどんな風に見えているのか? 学校の養護教諭などが体験する勉強会が開催されている。

 大阪市立長居小学校の水野校長先生。小学6年生の時、学校の色覚検査で「色の見え方がほかの子と違うかもしれない」と指摘された。病院で色覚に問題があると指摘され、将来の道のりが狭まったように感じた時期もあったが、実際は車の免許も取得し、夢だった学校の教員にもなることができた。その水野校長がこの夏、ある勉強会で驚くべき体験をしたという。同じ勉強会が今月15日、兵庫県丹波市で開かれていた。田んぼに咲く彼岸花の写真。手渡されたメガネを通じて見ると、花がどこに咲いているのかわかりにくくなる。サングラスのようなこのメガネは、色覚異常がある人がどんな風に見えているのかを疑似体験できる特殊なメガネ。真っ赤に色づいた紅葉の葉っぱは、このメガネで見ると茶色っぽく見える。赤い提灯の中の黒い文字がかなり見えづらくなる。この日は小・中学校養護教諭らおよそ50人が体験、勉強会では逆に色覚異常のある人がかけると一般の人が見えている色がわかるという補正メガネがあるということもわかった。講師を努めた大阪市のNPO法人の理事長は、色覚検査が13年ぶりに注目を集めているのをきっかけに、見えている色は人それぞれ違うという認識が教育現場に広がればと話している。水野校長も、プライバシーへの配慮ができていれば、色覚検査は自分の特性を知る良い機会になるのではと考えている。

 石田英司は「クラスに1人くらいはいるわけだから、知っておくというのは大事」と話した。菅広文は「僕もそうなんです。僕にはこう見えているから周りがどう見えているのか、逆にわからないんですよ。黒板だと黄色はよく見えるんですけど。青と赤は難しかった。先生の話している文脈で見てた」と話した。シミュレーションソフトや体験レンズができたことで「この子にはこんな風に見えていたのか…」と涙する保護者も。

(goo テレビ番組より)