平成14年3月の学校保健法施行規則改正により, 平成15年度以降は全国のほとんどの学校で色覚検査が実 施されなくなった。そのため平成24年現在, 中高生は, 自らの色覚異常の有無を知ることなく進学・就職と向き あっており, 今後進学・就職さらには就業の場において, 色覚に係わるトラブルの増加が懸念されている。このような状況のなか, 家庭や学校, 社会における色覚問題を広く把握し, 今後の対応を検討することを目的に, 全国の眼科医療機関において先天色覚異常と診断された受診者に係わる実態調査を実施したので報告する。また各眼科医療機関で実施された諸検査の結果も集計したので併せて報告する。(1部)
本稿はその続報として, 前回未発表であった受診者の「色覚に係わるエピソード」について報告する。(2部)