2014年9月19日

日本眼科医会の「先天色覚異常の受診者に関する実態調査」公表

 9月19日、日本眼科医会の平成25年度記者発表会が行われました。今年のテーマは「学校で色覚検査が行われなくなって10年 色覚検査をめぐる現状と課題」というもので、「全国の眼科医療機関において先天色覚異常と診断された受診者に係わる実態調査」という報告書も公表されました。

 03年度以降学校での色覚検査が中止された結果、色覚障がいの子どもの2人に1人が異常に気づかないまま進学・就職の時期を迎え、進路選択でトラブルを経験している実態が明らかになりました。

 結論として、眼科医会は「早期に気づけば、子どもにも利点は大きい」として、小学校低学年と中学1〜2年時に、希望者には検査を行うことが望ましいと提言しています。

 日本眼科医会が公表した「実態調査」は、1部、2部合わせて35ページもの容量ですが、この問題に関心のある方の一読をおすすめします。冒頭の「調査の目的」を引用させていただきます。

平成14年3月の学校保健法施行規則改正により, 平成15年度以降は全国のほとんどの学校で色覚検査が実 施されなくなった。そのため平成24年現在, 中高生は, 自らの色覚異常の有無を知ることなく進学・就職と向き あっており, 今後進学・就職さらには就業の場において, 色覚に係わるトラブルの増加が懸念されている。このような状況のなか, 家庭や学校, 社会における色覚問題を広く把握し, 今後の対応を検討することを目的に, 全国の眼科医療機関において先天色覚異常と診断された受診者に係わる実態調査を実施したので報告する。また各眼科医療機関で実施された諸検査の結果も集計したので併せて報告する。(1部)

本稿はその続報として, 前回未発表であった受診者の「色覚に係わるエピソード」について報告する。(2部)

公益社団法人 日本眼科医会
→ http://www.gankaikai.or.jp/

[日眼医通信501]平成25年度記者発表会
→ http://www.gankaikai.or.jp/tsushin/20130919.html

平成22・23年度における先天色覚異常の受診者に関する実態調査
PDFダウンロードページ
→ http://www.gankaikai.or.jp/info/