2012年7月22日 大阪日々新聞

色覚補正レンズで不便軽減 色覚障害者をサポート

 「信号で赤と黄が区別しずらい」「野菜やマグロの鮮度がわからない」「イチゴやトマトが緑から赤になるのがわからない」---。色覚障害者が日常生活で感じる不便の解消、軽減をサポートしようと、4月に設立されたネオ・ダルトン(大阪市中央区、足立公社長)が、色覚補正レンズと色感度測定機の取り扱いを本格化している。

 同社によると、色覚障害の多くは緑の感度が強いことによるものだといい、強すぎる色を他の色の感度まで弱くすることで、視界はやや暗くなるが、本来の色の見え方に近づくという。

 同社の色覚補正レンズは、赤・青・緑の光の三原色の透過率を1枚のフィルターで調節する特殊なもの。それぞれの目に合った透過率になるように感度の強すぎる色の光をカットし、コントロールすることで、本来の色のバランスに近づける。

 また、同社の色感度測定機は、赤と緑の感度だけでなく、緑と青の感度が測定できることが特徴。同社によると、32種類の補正レンズを用意しているが、実際には12種類で98%の補正が可能だという。

 日本眼科学会によると、日本では男性で20人に1人、女性で400人に1人の割合で、約300万人が色覚障害者といわれている。2002年に学校での色覚検査が中止されたため、色の見え方が他人と違うと感じながら、色覚障害を自覚しない子どもたちが増えており、今後、進学や就職に伴って、大きな不便を感じたりする可能性があるという。

 自身も色覚障害のある足立社長は「色覚障害のある人たちの選択肢が広がり、あきらめなければならなかった夢に進むきっかけとなればうれしい」と話す。簡易測定は7月に開設した同社ホームページ(http://www.neo-dalton.com)でも可能だ。