2018年7月10日 堺市SS倶楽部 NEWS LETTER No.87

134回SS塾「見えている色は、それぞれ違う?!」報告 参加者23名


 今回、NPO法人 True Colors 理事長高橋紀子さんを講師に迎え、「色覚異常」「色覚多様性」「色覚少数派」って何? をサブテーマに講義と体験を行った。光と色、色の見え方、光の波長を色として認識、光の3原色と学生時代に習ったことのおさらいから始まり、色の3属性(彩度、明度、色相)の構成比率によって色の見え方が違ってくるあたりから、見え方の多様性があって当たり前と少しずつ固定概念(見えている世界は万人共通)が溶解してくる。色覚異常は目の特性のひとつ、色を識別する錐体細胞の変異により色の認識が多数と違うタイプということ。「色覚異常は生まれつきの特性であって、病気治療という医療の範囲には入らない」という。では病気でなければ知らなくてもいいのか。知らないために困る職業があることも事実。広告・印刷業、映像関係、デザイナー、カメラマン、美容師、調理師、看護師などで困ることもある。また自衛官、警察官、消防官、航空鉄道関係の運転士・整備士に色覚制限がある。次に論より証拠で体験へ移り、色覚異常を体験する「体験レンズ」、それを補正する「補正レンズ」を体験。当然、当たり前と思っていた世界と、全く違う色の世界があることの実感、そしてこの違いを乗り越える色覚バリアフリー、カラーユニバーサルデザインに少しずつ動いているが、まだまだ少ないのが現状だ。色の見え方は十人十色、まずはそのことを知り、色覚だけでなく、人は誰でも少数派、多数派の部分を持ち合わせていることを認め合う大切さを学んだ。