日本の色覚問題と補正レンズ

何が問題なのか

 (1) 1994年までは小1・小4・中1・高1で色覚テストが行われ、学籍簿に記録されていました。

 (2) その後、小4で1回だけテストを行い、学籍簿に記録が残されることはなくなります。(※朝日新聞 1994年11月26日記事)
   しかし、わずか8年後…

 (3) 2002年から色覚テストそのものも撤廃されました。(※朝日新聞 2002年2月22日記事)
  これは求人採用の際、学籍簿の記録が原因で書類選考の段階で不採用とされていることが判明し、多くの有識者から
  差別撤廃を求める声が上がり、それに応えたものです。(※朝日新聞 2002年3月23日記事)

しかし、日本国内で特に注目されている問題は、2002年、テストが撤廃された年度に小学4年生だった子どもたちが2012年には20歳の成人を迎えたことです。今後、自身の色弱を自覚しない新成人が次々と社会に送り出されてくることによっておこる問題に対する危機感は、色覚テストの差別撤廃よりも影響は大きいのではないでしょうか。

補正レンズのあゆみ

 吉林大学医学部名誉教授 陳暁光氏は、錐体細胞は L・M・S が1セットで機能し、何れかが欠落するということはないので、赤・緑・青の透過率を調節されたフィルターを利用すれば、少し暗くなるけれども色の見え方は補正できるとの検証を経て、色覚補正メガネが発明された。(※1991年発表・特許出願広報)
 その後、この補正レンズはニューヨーク在住の日本人眼科医・新名美次氏が共同研究者として加わり、2011年10月全米眼科医学会(フロリダ)で、大きな話題となった。(※J-cast ニュース 2011年11月12日記事)