日本の色覚問題と補正レンズ

色覚障がい者の98%は補正可能

 色覚障がい者の「タイプ別分類」は既に知られていますが、果たしてどのタイプが どれくらいの割合で実在するのでしょうか。2011 年、全米眼科医学会で発表された統計調査によりますと、色覚障がい者の98.2%は「緑と青の感度は一般と変わらず、赤の感度だけが弱い型」64.0%、「赤と青の感度は一般と変わらず、緑の感度だけが強すぎる型」34.2% の範囲内に存在することが確認されました。
 青の感度を基準に「緑の感度が強く赤の感度が弱い型」が最も多く、あとは「赤の 感度だけが弱い型」と「緑の感度だけが強い型」との中間に連続的に分布しているというものです。それ以外の色覚異常 (1.8%) のタイプとは、「赤の感度が強すぎる型」が 1.76%、「青の感度が強すぎる型」が 0.02%、「全色盲」が 0.02% でした。
 「緑の感度が弱い型」・「青の感度が弱い型」は見当たりませんでした。赤・緑・ 青のいずれか一つの感度が欠落しているとされる「2色性色覚」も見当たりませんでした。

 20万人の色覚検査を行い、その中から1万300人の色覚障がい者が抽出され、 さらに詳しく色覚検査を行った結果が上記のとおりであったということです。色覚補 正レンズが発明されたからこそ、このような調査が可能になったということです。
 以上のように、光の3原色に対し色覚障がい者の多くは一般の人に比べて、赤が弱く緑の感度が強すぎるという結果が出ました。ネオ・ダルトンの色覚補正レンズは、光干渉法により感度の強すぎる色の光をカットし、それぞれに適したフィルターを製作し、メガネとして使用するというものです。フィルターは合計32種類用意されていますが、上記の検査結果のように、実際にはそのうち12種類で色覚障がい者の98%以上の人の補正が可能です。