「優性」「劣性」廃止 偏見払拭に学会決定
日本遺伝子学会は、約1世紀にわたり遺伝学で使われてきた「優性」「劣性」という用語を、それぞれ「顕性」「潜性」に改めると決めた。遺伝子に優劣があるとの偏見や不安を払拭する狙いがある。同学会は一般向けに初の用語集を出版し、普及を図る。
同学会は約100の遺伝学用語を見直した。例えば、「突然変異」(mutation)は原語に「突然」という意味が含まれないため「変異」に。「変異」と訳されてきた「variation」は「多様性」と改めた。また、「色覚異常」や「色盲」という用語については、日本人男性の20人に1人が相当することなどから、「異常と呼ぶのは不適当」との意見で集約。科学的に中立な「色覚多様性」という表現を採用した。
【阿部周一】(2017年9月13日掲載)
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